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ピッチ走法とストライド走法
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ランニングの走法(走り方)は、大きく「ピッチ走法」と「ストライド走法」に分かれます。
「ピッチ」とは1歩にかかる時間のことで、「ストライド」とは1歩の長さ(歩幅)を指しています。
歩幅を小さく取る走り方を「ピッチ走法」と呼び、足の回転が速いために目的地までの歩数は増えます。
一方、歩幅を大きく取る走り方が「ストライド走法」で、足の回転は若干遅くなります。今回は、この二つの走り方それぞれの方法やメリットとデメリットなどをお伝えしましょう。
ピッチ走法について
「ピッチ走法」において初心者ランナーは1分間に160〜180回、足を蹴り出すと言われています。上級者になるとピッチが200を超える事もあります。速く走りたくて、ついついピッチを上げようとしてしまうかもしれませんが、無理は禁物です。
歩幅を小さく足を速く蹴り出す「ピッチ走法」は、海外の選手に比べて背が低く足の短い日本人向きの走法だと言われ、筋力の弱い人にも適しています。そのため、日本ではアスリートだけではなく市民ランナーにもピッチ走法を取り入れている人が多くなっています。プロでは高橋尚子選手や瀬古利彦選手がピッチ走法を採用しています。
ピッチ走法のメリットとデメリット
メリット
通常の走り方では足の着地時に足首付近にかなりの衝撃がかかります。一方のピッチ走法では歩幅と同時に体の上下の動きも小さくなり、着地時の衝撃が弱まります。そのため坂道でも筋肉への負担が軽くなり、一定の速度で走り続ける事が容易になります。リズムに乗りやすくなるなど、速度の調節も自在です。
デメリット
歩幅が小さいため、特に短距離走では足の回転を速くする必要があります。その結果、心拍数が上昇して体力を消耗し、疲労の度合いが激しくなってしまいます。特にフルマラソンでは長時間腕を振る事で体力を消耗し、疲労度が増してしまう事もあります。これを防ぐため、普段から腕の振りを意識したトレーニングを重ねて慣れておきましょう。また大会などの際は疲れにくい無理のない角度で腕を振って走るようにすることが大切になります。
腕立て伏せ等で腕の筋肉を鍛えておくのも効果的です。
ピッチを速くする方法
ピッチを速くする方法に、腕の振りを速くするものがあります。腕は伸ばしたままだと早く振れないため、肘を90度くらいに曲げ高めの場所で腕を振りましょう。肩甲骨の動きが骨盤へと伝わって、足が前に出るでしょう。
また、ピッチ走法ではリズムが大切です。腕振りに合わせて呼吸のリズムを速めるとピッチが上がります。
ただしピッチを速くする事にやみくもにこだわらず、トレーニングの中で走りやすいピッチを見つけ出す事がより大切です。
ストライド走法について
「ストライド」とは歩幅のことで、初心者ランナーのストライドは一般に75〜100cm前後と言われ、上級者になれば160cm以上になります。 歩幅を大きくして走る「ストライド走法」では、足の回転がピッチ走法より若干遅くなり、歩数は少なくなります。速く走りたくてストライドを大きく取ろうとしてしまうかもしれませんが、フォームが崩れやすくなりますので無理は禁物です。また、体への負担が大きく筋力の強い人に向いた走り方なので、初心者は筋力トレーニング等で事前に体を作り上げる必要もあります。ストライド走法のプロには、野口みずき選手や中山竹通選手がいます。
ストライド走法のメリットとデメリット
メリット
1歩の幅が広いため、比較的にスピードが出しやすい走り方といえます。
デメリット
歩幅と共に体の上下の動きが大きくなり、地面に着地する度に足には衝撃がかかります。
ピッチ走法と同じ距離を走って比べると消費エネルギーは少なくなりますが、足への衝撃を始め、身体に大きな負担がかかってしまいます。これが怪我や故障に繋がるため、注意が必要です。
また、筋力が必要なので初心者向きではありません。
また重心が落ちやすくなり、フォームが崩れがちなので、腰を高めにして重心を落とさないように心がけましょう。
ストライド走法のためのトレーニング
ストライド走法のトレーニングには様々な方法があります。まず、下半身の筋力を意識的に強化する必要がりますが。それにはスクワットがおすすめです。筋力が高まると、歩幅は自然と大きくなるはずです。他に、股関節に柔軟性をもたせると可動域が広がりますので、少しでも大きな歩幅になるようにストレッチも行いましょう。
ピッチ走法とストライド走法で悩んだら
ピッチ走法とストライド走法、どちらの走り方が良いのかは人それぞれの体格や適性によって変わってきます。
ピッチを速くすると、ストライドは小さくなってしまいます。
一方、ストライドを大きく取ると、ピッチは遅くなってしまいます。
マラソンのタイムを良くしたい場合には、ピッチを速くするか、ストライドを大きくとるか選択すること事になりますが、過度にこだわりを持つのも考えものです。
例えばピッチ走法を意識しすぎると、ストライドが必要以上に短くなってしまい、タイムが思うように伸びなくなってしまいます。
スピードは「ストライド×ピッチ」で決まります。歩幅が広く歩数も多ければ、当然タイムは上がります。もしタイムに伸び悩みが生じてしまったらストライドを少し広めに取るように意識してみましょう。ただし、フォームを崩さないように重心に意識を向けることも忘れずに。腰を高く重心を上に取れば、重心移動が楽に出来て推進力が増します。トレーニングを継続していくと、筋の持久力や心肺機能が高くなります。筋力が高まれば、1歩で進むスライドを少しずつ大きく取れるようになります。
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