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マラソン・ランニングにお役立ち
坂道トレーニング
トレーニングの種類について
坂道、特に上り坂を走る辛さは、あらゆるランナーにとって共通のものでしょう。脚が疲労でフラフラになり、心臓が激しく音を立てて打つ。それを軽減するのに役立つのが「坂道トレーニング」です。
坂道トレーニングはなぜ必要?
上り坂を走る際に脚がふらふらになるのは筋力が不足しているからです。また、心臓がバクバクと音を立てるのはその機能が低いため。また脚の筋力がなく、心臓の機能が劣っているとスピードを出せないというデメリットも生じます。
また、ある一定のレベル以上のランナーになれば走り込みのような持久的トレーニングだけをしていても脚の筋力、心肺機能の飛躍的な向上はのぞめません。
そのような場合に、あえて坂道でのトレーニングを重点的に行って脚と心臓に意識的に負荷をかけるようにすると、さらなるランニング能力の向上が期待出来ます。
また、坂道では走る動きに無駄があるとその辛さが増してしまうため、自然と効率の良いフォームに洗練されるというメリットも期待出来るようです。
坂道トレーニングの方法
長い距離を走るのは苦ではないが、あまり速くは走れないという人にこそ、坂道トレーニングは効果的です。いつもの練習コースの途中に坂道を取り入れ、坂にさしかかったら意識的にダッシュをして頂上まで上り切りましょう。
その際に注意したいのはがむしゃらに駆け上ろうとせずに、フォームに意識を向けて力強く走ること。もし、余裕があればそれを数回繰り返えせばさらに効果的です。
ただし、坂道トレーニングはかなり身体に負担をかかるため、基本的な走力を備えた人だけが相応の覚悟をもって取り組む必要があります。トレーニングの頻度は週2〜3回程度を目安にしましょう。
上り坂トレーニングと下り坂トレーニング
坂とひとくちに言っても、上り坂と下り坂の2種類があります。
上り坂を走る際は、平らな場所を走る時よりも息が上がります。つまり、心肺機能を効果的に鍛えることが出来ます。また、太ももの前側にある大腿四頭筋を始め、ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋を鍛えることも出来ます。
一方、下り坂を走ると、お尻の臀筋群や太ももの後ろ側にある大腿二頭筋やハムストリング、すねの前脛骨筋を強化することが出来ます。つまり、上り坂のトレーニングと下り坂のトレーニングでは、それぞれ鍛えることの出来る筋肉が異なるため、2種類を組み合わせる事で脚の筋肉を総合的に強化することが出来るのです。
なお、下り坂では上り坂よりも実は脚の筋肉に負荷がかかっていることを忘れてはいけません。確かに心肺機能への負担がより大きいのは下り坂よりも上り坂ですが、脚筋群へのストレスは下り坂の方がはるかに大きく、筋力の回復にも間がかかります。そのため、下り坂でのトレーニングでは注意をしないと故障の原因にもなります。
上り坂では頑張って走っても大丈夫ですが、下り坂の練習をしたいときは、あまりスピードを上げず、着地の感覚を確かめる程度に、出来るだけゆるい坂道を選んで走るようにしましょう。それでも十分な効果が期待出来ます。
そして、そんな坂道での具体的な練習方法としてお薦めしたいのが「坂道インターバル」。100〜200メートルほど続く坂道を走って上り、ジョギングまたは歩いて下りてくるというやり方です。
「今日は坂道トレーニング」と決めて、10本、20本と専念して行うのもよいでしょうし、普段走っているコースに坂道があるなら、そこで2、3本ダッシュをし、ジョギングに戻るという方法もいいでしょう。
坂道トレーニングでのフォームについて
坂道を走る時のフォームについて注意したいことは次の3つです。
1 | 脚は後ろに流れないように、両脚の大腿部の筋肉を使って上げているという意識を持つようにしましょう。 ただし、いわゆる「もも上げ練習」のように無理にひざを高く上げる必要はありません。 |
2 | 目線を下げてはいけません。 常に数メートル先を見るよう心がけ、おへそのあたりを突き出すようなイメージで走りましょう。 |
3 | 胸を開き、ひじを後ろに引くような力強い腕振りを心がけてください。 前屈みにならないように意識しましょう。 |
坂道を走るのが上手なランナー
一説によれば、下り坂の上手なランナーはマラソン向きだと言われます。“下り坂がうまい”とは、着地でブレーキをあまりかけずに走れるということです。つまり、足の運び方が上手いということです。
フルマラソンでは何万歩と着地を繰り返すのですが、効率のいい足運びをしている人は、それだけエネルギーを使わずに走れるため、スタミナ勝負のフルマラソンでは当然有利となるのです。
有名な女子マラソン選手でいえば、有森裕子さん、高橋尚子さん、千葉真子さん。男子選手では谷口浩美さんなどは下り坂のスペシャリストです。
下り坂では一歩一歩、ブレーキをかけるのではなく、下り勾配によって自然に前に進んで行く力を無駄なく推進力に変えていくのが理想です。
足の運びがきれいにできないと、強くブレーキを踏み込みながら走ることになり、余計なエネルギーを使うだけでなく、脚筋群への負担がとても大きくなってしまいます。
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